ゴミ集積所の状況を調査するためあちこち徘徊していると(一見泥棒の下見のようですが)、各地区の住民の皆さんと立ち話になります。4丁目でゴミ集積所の不足によるゴミの溢れ出し、設置容器が不十分であることによるカラスの害が頻発しているので、自治会で問題になっていて、現在対策を考えていること、と調査の趣旨をお話しした上で、背景事情について、つぎのようにご説明します。
市役所は、一般住宅向けのゴミ集積所の増設を嫌がること
(各戸収集は一切問題にならず、数軒ごとに集積所を設置することさえ忌避する)
クマの檻やパイプ・ネットなどの設備については、住民に対して住民自身の経済的負担で設置するよう言っていること
このことを知ると、皆さん、おおいに驚きかつお怒りになります。住民税・固定資産税・都市計画税を取っておいて、なんたることか、と。
市民(個人でも団体でも)に対する市役所生活環境課の従来の対応は、たいへん問題の多いものでした。30年前とか戦前とかの古い体質どころの話ではありません。実際に行ったり住んだりしたことがないので、正確にはわかりませんが、たぶん江戸時代の役人並みです(時代劇?)。江戸時代ともなりますと、武士階級はもはや戦闘員ではなく、純然たる役人になっていました。江戸時代の武士と、現代の中央政府や地方政府(一応は「自治体」を名乗る)の「公務員」では趣旨役割立場が全然ことなるはずなのに、言うことやること、ほとんど同じです。
このページではこの件での具体的方向性について考えます。そして順序は逆になりますが、次ページで、その根拠となる、基本的考え方について、 検討します。
前ページで見た、開示された文書の1件目のものをもう一度示します。
自治会未加入者からの問い合わせがあった件で、当該自治会長あてに、回りくどい言い方ですが、要するに自治会未加入者に使用させることを求める文面のようです。ごみ集積所の確保・設置・管理について、市役所が誤った対応をしてきたために起きたトラブルについて、自治会に責任をおしつけているものです。
市ではごみ集積所は使用する方々に場所の確保・かごの設置・管理をお願いしております。
この数十年間、市役所が言い続けてきたことです。住民や住民団体(自治会など)の役員からの要望・意見を受けるたびに、窓口の担当職員はこう言ってきました。
開示された文書に示された事例はほんの一部です。数知れず同じことがあったのに、市役所生活環境課はその度ごとに、こともなげにこんなことを言って、住民や自治会役員を困らせていたのです。
しかし、考えてみるとおかしなことです。
そもそも市役所の言っていることは、その最初の前提がまちがっているのです。結論を言ってしまうと、市役所は、ごみ集積所の場所の確保・かごの設置・管理をおこなう責任があるのです。それをしないから、この文書の事例のような、面倒が起きるのです。
まず、ゴミ集積所の「場所の確保・かごの設置・管理」をしない、という市役所の主張の妥当性について考えます。
この主張に法的根拠がないことは、この短いセンテンスの中にすでに示されています。
根本をたどれば日本国憲法、末節は市の条例・規則ですが、どこにもごみ集積所の場所の確保・かごの設置・管理を行うことが市民の義務であることは法定されていないのです。だから、住民に対して金銭的負担・労力の負担を「お願い」するしかないのです。
これが住民税だったら市役所は「お願い」なんかしません。固定資産税・都市計画税も「お願い」なんかしません。給料なり年金から源泉徴収するとか、あるいは金融機関窓口で現金納付するとか、あるいは金融機関の口座振替によるとか、支払い方法はいろいろですが、日本国憲法の「納税」の義務(第30条)を根拠とし「法律の定めるところにより」、市民が納税しているのです。
なお、感ちがいしてはいけません。私たちは、「国」や「地方自治体」に命ぜられて、納税しているわけではありません。日本国民は、みずから制定した日本国憲法において、納税という法的責任をみずからに課しているのです。〔第30条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。The people shall be liable to taxation as provided by law.〕。
話を戻します。市役所には、「ごみ集積所は使用する方々に場所の確保・かごの設置・管理」するよう命ずる法令上の根拠はありません。
法的根拠のないことを住民に強制している現状は、あきらかな違法状態です。
市役所は「強制などしていない」というに違いありませんが、そんなことはありません。
前ページの大井澤小学校東南側面の3か所のとおり、新たにごみ集積所を設置するにあたって、市は市立小学校用地の一部の使用を許可しただけで、ほかの土木工事費用、カゴの購入・設置工事費用は、全部住民自治会が負担したのです。市の記録文書がないので、実状はこのあと調査することにしますが、ざっと100万円程度の費用を要したものと思われます。
見て回った限りでは、北守谷団地内で、クマの檻のようなかご、パイプとネットのかご、あるいは、鉄製枠とネットなど、さまざまですが、容器やネットで防護していない集積所はただの一か所もありません。市役所によって設置されたものは皆無で、それらはすべて、住民の費用負担・労力負担により設置されたものに違いありません。
かごなどで防護していない集積所はただの一か所もないのです。世の中で、100%実施されているなどというものは、他にはないでしょう。まさに空前絶後です。「お願い」とは言いながら、事実上、強制しているということです。実質的に強制しているからこそ、100%なのです。
市役所が住民の自治会に負担させている経済的負担は相当多額なものです。実績額を示すのはのちほどのこととして、ここではおおまかなモデルを示すことにします。
一般的な単位町内会の規模は三百数十世帯ほどでしょう。市は、前ページの文書にあるとおり、「35世帯ごとに集積所1カ所」を目安としていますから、三百数十世帯だと10か所です。1か所あたり、カゴの費用として20万円かかるとして200万円です。7丁目自治会はほぼこの状況でしょう。7丁目には集合住宅は極めてすくなく、ほとんどが1戸建て住宅で、一体的に開発された住宅群部分にも、当初からゴミ集積所が設置されていたようです。多少の偏在はあったものの、どこかでゴミが溢れるなどの問題もなく、しかも自治会加入率が極めて高かったこともあり、前々ページのとおり、すべてにクマの檻を設置しました。それでもかなりの費用がかかり、数年がかりで資金を積み立てる必要があったとのことです。
(知り合いに依頼して調べていただいたところ、7丁目のカゴは20数万円だったとのことです。10年以上以前の話ですから、このご時世、金属類の高騰もあり、今だったら30万というところでしょう。住民が法的根拠なく(=違法)支出を強いられる額としては、とんでもない額です(単純に考えても、1世帯あたり、1万円から2万円)。市の予算であれば、さほどのものではないでしょうから、ただちに市予算からの支出に切り替えるべきものです。)
しかし、4丁目には独特の問題があり、現在たいへんな状況になっているのです。
4丁目の場合、北側の大山新田の農業集落に近く、道一本で直通できることから、1970年代ころの土地区画整理事業において、大山新田の地主の所有地となった面積の割合が、極端に多かったのです。1丁目も同様に地主保留地から集合住宅になったところが固まっていますが、他町内ではこんなことありません(2丁目には小学校、5丁目には損保企業の9階建!高層建築〔ほとんど利用されていません。この無駄な建設・維持費用も保険料に組み込まれているのです。金融巨大企業がいかに利益を獲ているかわかります。〕が立地しているので、この南北の通りはたいへん利用価値の高い地点だったのです)。
4丁目では、住宅地を取り囲み、あるいはそこに割って入るようにして、膨大な土地区画が「農地」として存在していたのでした。梅か栗の樹をまばらに植えて「農地」とし、宅地としての課税を回避するのが大部分でしたが(農村地帯の小地主・自作農がいかにリッチかよくわかります。住宅用地は300から500坪、それ以外にも売れば数千万円あるいは1億越えの土地を所有したのです〔大都市であれば一桁上ですが〕。一般の勤労者とは比べ物になりません。)、「相続」対策もあって少しずつ集合住宅が建てられました。
以来、40年以上経過し、土地区画整理から2世代近くを経て、「相続」の発生を主要因とし(相続人が非農家だと、農地として相続することは不可能)、課税方法の変更の影響もあって、急速に農地が住宅地に転用され、切り売りされ、さみだれ式に、戸建て住宅が立地しました。小地主の相続による土地放出のほか、大企業の撤退による土地放出など、さらに複雑な要素もあります。北守谷北側の味噌屋さんの土地を借地として建てられたアサヒビール社宅(建物も味噌屋さん?)はボヤ騒ぎの挙げ句に解体され、15戸の住宅になりました。不二精油の妻帯者用社宅が、ついで単身者用社宅が廃止され、それぞれ17戸、24戸の戸建住宅が一体的に開発されました(2番地)。こんなことは、北守谷では他にはないでしょう。(松並青葉は、クレ砥石撤退によるもので、農地の食い込みはありませんでした。)
現状では、全体としては世帯数にして半分が一般の戸建て住宅、半分が集合住宅と特殊事例としての一体開発された戸建て住宅群となっています。一体開発された区画についても課題がないわけではありませんので、あとで考えることにします(一般住宅向け集積所への「越境」など)。ここでは、一般の戸建て住宅だけについて考えることにします。
前ページで示した、4丁目の世帯分布とゴミ集積所分布の一覧を再掲します。黄色部分にご注目ください。
住宅都市整備公団(現在は「ユーアールでアール」のUR)は、地主さんたちに気を使ったようで、地主保留地にはゴミ集積所を設けませんでした。集合住宅は、8番地に2か所3棟、9番地に1棟建ちましたがそれ以外は、公団による分譲は4戸だけであとは、地主保留地の五月雨式開発が続き、10戸その後6戸ごとの行政指導による集積所設置もなされませんでした。その結果、7番地、8番地、9番地、10番地、11番地にはゴミ集積所が1か所も設置されませんでした。平均的にはここに2、3か所は必要だったはずです。7番地、8番地、9番地、10番地、11番地の分の廃棄物は、6番地、13番地の集積所に「越境」することになり、とんでもないことになっています。前々ページで示しましたが、ある火曜日には、13番地集積所には、75袋・束が集中し、路上にまで溢れました。いつものことです。他の町内ではこんなことにはまず起きないでしょう。
もういちど、さきほどの文書を見ます。宛名が墨消しになっているのですが、文面から察するに、市内の自治会長あてでしょう。紛争の原因は、市役所のまちがった対応にあるのに、未加入世帯からの問い合わせに対して、市役所生活環境課は紛争のとりなしをするでもなく、そもそもの方針を撤回して解決をはかるでもなく、少々遠回しですが、じつのところ露骨に、自治会長に対して「折れる」ことを要求したわけです。この件がそのあとどうなったか、わかりません。いずれ調べようと思いますが、もはや円満な解決は期待できないでしょう。
市役所の対応がいまのままでは、どこでも同じようなことが起きるのです。数か月前の新聞に、日本海側のある県で、自治会と未加入世帯の間で、費用負担をめぐって訴訟になったという記事がでていました。4丁目だって、同じようなことが起きないとは限りません。それどころか、現在の集積所不足を「解決」しようとする時に、必ず起きます。
市ではごみ集積所は使用する方々に場所の確保・かごの設置・管理をお願いしております。
市役所のいうとおりだとして、今後数ヶ月以内に4丁目でいかなる紛議が起きるか、予想してみます。
まず、必要な手順は次のとおりです。
1 当面最大の課題である13番地の集積所の溢れ問題解決のために、かぶとむし公園北塘側丁字路付近に、ゴミ集積所を新設する。
2 樹木部分を避け、やや西よりの手すりを3mほど撤去し、舗装したうえ3方にプロック4段積みの腰壁で囲む。費用は50万円くらいでしょう。場合によってはそれ以上かも。
3 腰壁だけだと、カラスの餌食になるので、クマの檻を設置する。費用はすくなめにみて20万円くらいでしょう。
つぎに、その際の、阻止要因となることが予想されること。
1について
公園なので、ゴミ集積所は設置できないと、生活環境課が言う確率50%、承諾して公園管理の部署にとりつぐ確率50%。
2について
70万円をどうするか? 市役所は「市ではごみ集積所は使用する方々に場所の確保・かごの設置・管理をお願いしております。」という方針ですから、費用を支出する確率はゼロです。
じつは、ここまでは「予想」ではなく、現実に起きたことなのです。2022、2023年ころに、いったん1まで進んだのですが、けっきょくこの2のところで、自治会としては費用を支出する目処がたたず、そのまま立ち消えになったのです。
市役所の、「使用する方々に場所の確保・カゴの設置・管理をお願い」するとの方針のとおり行動するとなると、どうなるでしょうか? いちいち反論するのはやめて、生活環境課長の言うとおりにすることにします。
「市ではごみ集積所は使用する方々に場所の確保・かごの設置・管理をお願いしております。」
「使用する方々」です。自治会ではありません。市役所は、死んでも自治会とは言えないのです。(そのくせ、文書の宛名は自治会長なのです。)
「使用する方々」とは誰でしょう? さきほどの4丁目の一覧表には、各集積所を「使用する方々」の欄がありません。わからないから書いていないのです。確定しようとすると、月曜から金曜まで、毎日夜明け前から午前10時ころまで、立ちん坊をしていちいちくる人に、住所と氏名を聞くしかありません。どこの家から出てきたかわかりませんから、ゴープロや車のドライブレコーダーでは用がたりません。
つぎに、その全員に、かかる費用を請求しなければなりません。50世帯くらい、と腰ダメで少なめに予想し、既設の13番地には20万円でクマの檻を設置することにして加え、さきほどの費用、70万円とあわえて90万円を等分して請求します。一軒あたり1万8000円なり、です。
誰が集金にいくのでしょうか? 自治会長や副会長、班長ではありません。どうやって決めるのですか? 誰かがボランティアで集金することにしたとします。50世帯全部が支払うでしょうか? 最大見積もりで8割、下手をすると5割以下でしょう。皆が皆、イヤーな気分になること請け合いです。「住民」が他の「住民」から無理矢理集金するのは、金銭強要行為として立派な刑事犯罪になります。生活環境課長は、自治会住人を刑事犯罪人に仕立てあげようとしているのです。
次善の策は、言い出した生活環境課長が集金にまわることです。自治会にやれとはなにがあっても言えないのですから、当然でしょう。そうなると集金成功率は3割以下でしょう。というより着手したとたんに、地方自治体による違法な金銭徴収ということで、大変な騒ぎになり、すぐに沙汰止みでしょう。守谷市役所は、自分では絶対にできないことを、「住民」に要求しているのです。
もう結論は出ました。
生活環境課長のいうとおりにすることは、
法的に根拠がない。そのとおりにしようとしても、誰にもできない。無理にでもそうすると、払う、払わない、でトラブルが頻発する。町内中がギスギスするだけで、お金も集まらず、問題はまったく解決しいない。
ということです。
昔、学校の「数学」で習った、帰謬法というやつです。ある命題の否定命題を前提とし、その前提のとおりに推論・計算していって、最後に矛盾や誤謬に到達したならば、その否定命題が否定され、それ故に、もとの命題が立証される、というものです。
具体的結論。当面めざすのは、かぶとむし公園に集積所を新設する。そこに設置するカゴについて市費を充当すること、です。
なにもこういう回りくどく考えるまでもありません。すこし考えるだけで明らかなことなのです。そもそも市役所生活環境課というのは、「ゴミ集積所の設置・管理」をすることが、仕事(の一部)なのです。そのために、住民は、住民税を支払い、固定資産税も支払い、都市計画税も支払い、ついでに消費税も支払い、住民福祉の向上のための業務をおこなうことを、信託しているのです。
次ページでは、この「信託 trust 」について、考えます。