鬼怒川水害まさかの三坂 6

 

対岸から撮影された進行する破堤の画像

 

 

Jan., 12, 2020.

 

 前ページにひきつづき、対岸の篠山水門に設置されたCCTV画像で、三坂における破堤の進行状況をみてゆきます。

 


12:53:53・12:54:15・12:55:10

E区間の水煙と下流側半分の破堤

 関東地方整備局がウェブサイトで公開している29枚のうち、ファイル名「20150910125353」「201509101255415」「20150910125510」の3枚を見ます。撮影時刻がファイル名になっていますから、それぞれ12:53:53、その22秒後の12:54:15、さらにその55秒後の12:55:10です。

 左の区間図の縦赤細線は、篠山CCTVカメラとF区間の両端を通る直線、縦黄細線は、カメラとL21kポールを通る直線です。3枚の画像に切妻側が写っているのは住宅3です。

 

 最初に破堤したF区間の上流側(画面左側)のE区間で、破堤が進行しているのですが、まず「20150910125353」と「201509101255415」の2枚に写っている水煙に注目します。

 CCTV画像に写っている樹木を特定しておきます。

 画面中央の大樹は、住宅4のやや左の樹木(青丸)です。画面左の大樹は県道354号線の向こうの樹木(コバルト丸)です。3月の衛星写真画像では落葉しています。

 住宅3とその左の住宅の手前に3本、それらより小さな樹木があり、ふたつの住宅の外壁の手前側に細い幹が見えています。左から山吹丸、橙丸とそのすぐ右のL21kポール、右が赤丸です。いずれも堤内側法尻に一直線に生垣が植えられているその向こう側(東)に立っています。


 12:53:53の画像では、その前後の画像にはない水煙が見えます。堤内側の樹木(赤丸)の幹の向こうに上がっていますから、堤外側ではなく堤内側の法尻のさらに向こうです。

 29枚の画像のほか、これまで見た堤防上で撮影された「13」までの画像、さらに次ページで見る堤内側で撮影されたVTR画像のいずれにおいても、越水している地点の堤内側にはこのような水煙は写っていません。

 越水して堤内側法尻に流れ落ちるというだけでは、このようにかなり高く水煙が立つということはないようです。何か、別の現象が起きているようです。

 その22秒後の12:54:15でも、同様に法面下から水煙が激しく立ち上っています。

 この水煙が上がっているのは、本項目4ページで見たE区間の堤内側法面の大穴の上流側です。

 すなわち写真10(12:04b)の画角は右図の黄実線のとおりで、下流側に穴の垂直面が写っていますが、上流側は撮影範囲から外れていました。その画面左端から5メートルくらい上流側が三角泥溜の頂点、つまり天端の堤内側の一番低いところで、その真下あたりが、さきほどの赤丸を付した樹木です。その上流側がさきほどの2枚の写真の拡大図で黄丸をつけた水煙です。


 55秒後の12:55:10です。

 さきほどまで水煙が上がっていた住宅3の手前、赤丸をつけた樹木の下流側が破堤したようです。すなわちE区間の下流側半分で、三角形の泥溜まりがあった地点です。


12:57:13・13:00:45

E区間の上流側半分の破堤

 つづいて「20150910125713」と、「20150910130045」です。すなわち、12:57:13と、その3分32秒後の13:00:45です。

 

 

 12:57:13には、E区間の下流側半分はすでに破堤して河道から堤内に素通しになっています(橙四角)。

 E区間の上流側半分(黄楕円)は、平面図でいうと、河道側に「ハ」の字に開くように洗掘され、破堤が上流側に進行しているように見えます。

 その3分32秒後の13:00:45の画像です。

 E区間の上流側半分もほぼ破堤しました。さきほど水煙が上がっていたあたりにあった赤丸を付した樹木、すなわち堤内側法面下に3本並んでいたうちの下流側の一本も流失しました。

 さらにD区間の下流側部分もすでに破堤しつつあります。L 21kのポールも流出しました。


 CCTV画像はまだありますが、続きを見る前に、「住宅1」の住人の方が撮影したVTR画像を見ることにします。