13, Sep., 2015
このページは非公開にします。こちらから、「自然堤防とは何か」「若宮戸の河畔砂丘」「鬼怒川水害の真相」「まさかの三坂」をご覧ください。
理由は以下のとおりです。
1 リンク切れ・変更により、参照するうえで支障があります。
2 若宮戸は「河畔砂丘」であって、「自然堤防」というのは間違いであることにまだ気付いていません。
国土地理院のウェブサイトに、鬼怒川水害の浸水地域の航空写真が公開されています。越流・決壊の翌日、すなわち2015年9月11日は、ほぼ終日快晴であり、おおむね雲のない写真が撮影されています。垂直写真、高高度から見下ろしたような正射画像(おそらく垂直写真の貼り合わせ合成)、俯瞰写真の3種類で、全部で数千枚に及びます。
ここではそのうち、「越水」がおきた若宮戸付近の堤防部分と、「決壊」がおきた同市三坂町付近の堤防部分の俯瞰写真を引用します。(この2か所は、当日もそれ以後もしばしば混同され、ひどい場合には1か所と誤解されていますので、報道等を見るときには留意下さい。)
(1)上流側の若宮戸(わかみやど)、すなわち9月10日午前7時40分に「越水」がおきた常総市若宮戸付近(25.35km地点=利根川との合流点からの距離)の堤防。ソーラーパネル設置のために「自然堤防」が削られた部分で、それが越水の原因となったとして、インターネットや新聞で少し報道されている部分です。
手前が鬼怒川で、左が上流です。流入した河川水は、主として北東側(画面左上方向)へ流れ下ったように見えます。
左岸(東岸)に、(B)大量のソーラーパネルが、まるでビニールハウスのように見えています。それとは別に、それと川の間に、(A)バラバラに崩れて(相対的に狭い範囲で)折重なっている物体もソーラーパネルの残骸です。ふたつの企業が、別個かつ無関係に設置したもののようです。
自然堤防(たびかさなる洪水によって自然に形成された両岸の微高地)を削って設置されたとして、インターネットやマスコミ報道で問題となっているソーラーパネルは、上の(B)のことのようです。GoogleEarthなどで数年前の状況を見ると、その大部分は周囲のように樹木の生えた「自然堤防」だったようです。
(A)の方の企業(「ソーラーエナジーインヴェストメント株式会社」)は、問題なのはもう一社の(B)「メガソーラー事業者」のほうであって、当社(A)は濡れ衣を着せられた、と言っているようです(のちほど別ページで検討します)。しかしこの写真で見る限り(A)のソーラーパネルはバラバラに崩れているのですから、「越水」との関連性をまったく否定することはできないように思われます。
しかし、氾濫以前の写真や地図・図面、氾濫後の詳細な写真・測量図など、ほとんど何もない状態では判断は不可能です。(インターネット上の個人はいつものことですが)報道企業や当事者企業が、ずさんな事実関係把握を前提に憶測を断定的に述べる一方、肝心の国土交通省が貝のように口を閉ざしていることが問題です(少々言い訳じみたことは言っていますが、基本的な事実関係は全部隠しています。さらに不思議なことには、三坂町の堤防修復は大宣伝しているのに、この地点はその後どうなったのかまったく広報も報道もありません。まさか放置しているはずはないのですが)。
堤防が基底部から根こそぎ消失した三坂町ほどではありませんが、この若宮戸の状況もかなり激烈です。ただし、ここは堤防のない無堤地域であるので(「自然堤防」は堤防ではありません)、定義上、堤防が「決壊」したとはいえず、曖昧に「越水」と言っているようです。
〔この部分は、当初ABを逆に書きましたが、混乱をさけるため報道等で言われているのにあわせて入れ替えました。また、別ページと整合するよう「決壊」の用語法などの記述を変えました。30, Sep., 2015〕
撮影日時は、画面にもあるように、一夜明けた9月11日の午前8時37分です。
撮影位置は次の地図のとおりです。画面やや左寄りの「吹き出し」位置から鬼怒川対岸の「越水」地点、青色の浸水範囲を示す線が一部橙色になっている部分を中心に撮影されたものです。
下の地図画面は国土地理院のウェブサイトのスクリーン・ショットです。クリックするとポップアップ・ウィンドウで表示され拡大もできます。
http://maps.gsi.go.jp/?ll=36.091557,140.041351&z=11&base=std&vs=c1j0l0u0&d=l#18/36.114893/139.978008
このURLのページの左上のメニューで、3つめの「防災関連」を選ぶとメニューが変わり、その7番目の「平成27年台風18号による大雨」を選ぶと下の画面になります。随意、各メニューを選び、地図上にたくさん現れるアイコンをいちいちクリックすると、数千枚の写真を見ることができます。ダウンロードも可能です。
下は、同じ地点を別の角度で、すなわち北側から南を俯瞰して撮影したものです。撮影日時は、同日午後12時41分です。
(2)下は下流側の三坂町、すなわち同10日午後0時50分に「決壊」がおきた同市三坂町の堤防(21km地点)です。大規模な堤防破壊と直下の家屋の流出・破壊が起き、おそらく、より多くの河川水流入を引き起こしたと思われる地点です。NHKのヘリコプターからのライブ映像が放送された現場です。
手前が鬼怒川で、左側が上流、右側へ蛇行して流れるのが下流側です。対岸のまんなか付近、堤防上の樹木が100m以上途切れているところが、「決壊」場所です。
画面左上を蛇行しているのが小貝川で、この二つの河川の間が、自然堤防などの微高地をのぞき、ほぼ全部浸水したのです。決壊から26時間を経過し、水位が低下して面積も縮小しています。別ページの浸水範囲の地図を参照ください。
画面のほぼ中段を左右に、鬼怒川の右岸から小貝川の左岸まで横切る連続した高架橋が見えます。これが高速道路の「圏央道」で、まもなく片側2車線部分だけの対面通行で開通予定の部分です。
撮影位置は下の地図のとおりです。左上の「吹き出し」位置から、画面中央やや下の青色線と緑色線に挟まれた短い赤線部分の「決壊」箇所方向を、やや望遠気味のレンズで捉えているので、撮影位置のすぐ近くの若宮戸の「越水」箇所は画面に入っていません。