"I Have A Dream." 「私には夢がある」

 racism、「人種主義」(「人種差別主義」)について考えます。

 このところ、アメリカ合州国における人種主義(黒人差別)に起因する凄惨な事件があいついでいます。キング牧師についての長編映画もまもなく公開されるようです。

 日本人の「白人大好き」=「白人コンプレックス」は相変わらずですし(「Youは何しに日本へ」)、「黒人嫌い」「黒人怖い」も根深いものがあります。日本社会の「嫌韓反中」は、もはや一部の動きではなく公然たるものとなり(2015年春、北京に一週間以上いたのに、日本人をほとんど見かけませんでした。)、国会やマスコミの主潮流にもなろうという勢いです。racistの青いピンバッジを胸につけた人種差別主義者が内閣総理大臣になり、マスコミは「爆買い」の中国人を僻みつつバカにし、自国の福島の原発災害を隠蔽する一方で韓国・中国の災害について面白半分かつ執拗に追及しています。

 

 racist 人種差別主義者は、できれば無視してしまいたいところそうもいかないので、キングのスピーチ "I Have a Dream" を漂白して無害化し、ほのぼのとした美談にしてしまうのです。

 1963年8月23日の「ワシントン大行進」の際のキングのスピーチの前の方の三分の二を飛ばして、「私には夢がある」が何回も繰り返される後ろ三分の一だけを読んだのでは、キングの真意はまったく伝わらないのに、高校の英語教科書はもちろん、少なくない本がそこだけ収録しています。これでは、キングは「夢」を語るだけのおめでたい人と誤解されてしまいます。(右に茨城県教育委員会作成の高校生用の「道徳」教材を例示しました。)

 

《"I Have A Dream"のテキストについて》

 演説の筆記は多数ありますが細部でおおいに異なるうえ、センテンスの切り方や段落分けなどがことごとく違っていて、定本といえるものはありません。寺島隆吉『キングで広がる英語の世界』(1996年、あすなろ社)が、収集した29種のテキストの詳細な比較をおこなっています。

 以下、キングの演説の引用は、とりあえず在日本アメリカ合州国大使館のウェブサイトから入手できるテキストにより、「§1」のように何段落目かを示します。

http://aboutusa.japan.usembassy.gov/pdfs/wwwf-majordocs-king.pdf

 なお、「キングセンター」のウェブサイトに各種のテキストが収録されています。また、YouTubeで演説の録画映像を見ることができます。

www.thekingcenter.org/archive/list?keys=i+have+a+dream


MMXIV

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茨城県教育委員会が作成した、高校生用必修「道徳」テキスト
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